July 08, 2009

シネマ歌舞伎『牡丹亭』

2009年7月7日(火)


 「 言葉の問題は乗り越えられません。

   言葉の問題じゃなくて、

   その役の問題。

   そこでしか

   乗り越えられないと

   僕は思いました。 」


 そうなんです。今日、観てきました。


 シネマ歌舞伎 『 牡丹亭 』


 坂東玉三郎さんがことし3月、蘇州昆劇院と共に演じた昆劇 『 牡丹亭 』 の、制作ドキュメンタリーと舞台編。

 ※昆劇について等は、上記のサイト(松竹さんのページ)をご覧ください

 冒頭の引用は、制作ドキュメンタリーの中での、玉三郎さんのお言葉です。

 ああ、そうか。そうなんだ、と ・・・ 映画館の椅子の上で震えました。

 伝えるために、努力して努力して努力して、言葉を学んで努力して、そしてその圧倒的な努力の末に、最後はやはり、伝えたいことの本質が大切なんですね。

 そしてもうひとつ、驚いたこと。玉三郎さんは惜しげもなく、自らの芸を中国の劇団員たちに与えていました。自分が昆劇を教わっているのだから、ということもあるのでしょうが、それにしても当日の演目に関係のないことまで、あふれんばかりの芸を、大陸の役者さんたちに手渡していたのです。

 それに引き換え自分は、与えられるモノもないのに出し惜しんでいやしないか。貪欲に吸収すること、そして自分に出来得る限りの恩返しをすること、もっと言えば、恩返しとして相手に残せるだけの何かを己の中にきちんと育てること。どれもこれも、異文化と向き合ううえでは当たり前のことのはずなのに、どうして忘れちゃっていたんだろう。

 そんなことを自問自答しながら、それより何より玉三郎さんの美しさに久々にボーッとなって、帰りの日比谷線に揺られていました。

 コチカゾウの幼稚園のお迎え、時間ギリギリで猛然ダッシュだったけれど、でも観に行ってよかった。本当によかった。

 玉三郎さん、ありがとう。ありがとう。謝謝、謝謝。非常感謝。


追記 : 昆劇 『 牡丹亭 』 も、もちろん素敵でした♪ 昆劇のことは分かりませんが、でもカップルの初々しさや艶っぽさは、仁左衛門さん&玉三郎さんの歌舞伎の舞台に、ちかぞうとしては軍配を上げちゃうかな~。いや仁左衛門丈はちかぞうの中では神様みたいな人なので、神様と比べられちゃ相手役の俳優さんもかわいそうなのですが。でも一見ならず二度見、三度見の価値アリだと思います。ぜひ蘇州で、本場で観てみたいものです。いつかきっと~ッ!

追記 : ドキュメンタリー中、南京大学での講演のシーンで、映画 『 覇王別姫 さらば、わが愛 』 と主演のレスリー・チャンの話が出てきます。こりゃファンにはたまらんです。もしまだ観ていない方がいらっしゃったら、レスリーの女形を観てから 『 牡丹亭 』 のドキュメンタリーを観ることをオススメします。

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October 19, 2005

秋の夜と義経千本桜

2005年10月19日(水)


 先週金曜日の朝のこと ・・・

 NHKラジオ第一放送の 「 わくわくラジオ 」 を聴いていたら 奈良県立万葉文化館 館長 ・ 中西進さんがこんな謎掛けを紹介していました。

 「 秋の夜とかけて 『 義経千本桜 』 と解く 」
 「 その心は? 」
 「 静かに、ただ飲む 」

 おおおーーーっ!!!

 これはつまり ( こんなことを書くとちょいと野暮ですが ) 『 義経千本桜 』 のなかの 「 静 ( 御前 ) 」 と 「 ( 佐藤 ) 忠信 」 に掛けているワケで、こんな問答をさらりとできたらカッコいいなあ~っと。

  ・・・ この際 「 あの忠信は忠信ぢゃなくて、実ハ狐の化け物だろ? 」 とかは言わないでね。

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February 23, 2005

七之助3月大歌舞伎休演

2005年2月23日(水)

 
 松竹さんによると、中村七之助丈が3月の歌舞伎座 ・ 大歌舞伎を休演するそうです。

 ( ※ 松竹からのお知らせ )

 先日の逮捕以来、そうなるのではないかと思ってはいましたが、お父さま ・ 勘九郎ちゃんの、歴史的な勘三郎襲名披露公演なだけに、歌舞伎迷 ( ファン ) としては 「 なんでこんなことにィ 」 と残念無念! なのであります。

 ところで襲名披露公演につきものなのが、口上。舞台上に襲名をする俳優を中心に、血筋 ・ 友人筋で近しい俳優たちが裃姿でズラリと並び、思い思いに祝いの言葉を述べ、今後のごひいきをお客さまにお願いする ・・・ 劇場が爆笑の渦になる裏話なども交えながら実ににぎにぎしく、おめでたい雰囲気がいっぱいでちかぞうも大大大好きな一幕なのでありますが、このときに休演の役者さんがいる場合、お詫びの挨拶が入るんですね。最近でいえば海老サマ襲名のときの団十郎丈の休演。海老サマはおそらく毎日毎日 ( 少なくともわたしが口上を見た2回は2回とも ) 「 父 ・ 団十郎、急病にて休演の儀、皆さまにはお詫び申し上げます、うんぬん 」 と頭を下げていらっしゃいました。このときは、それこそ涙を浮かべてじーんっとしちゃう人なんかもいて、歌舞伎座全体があったかーい拍手で包まれたものです。

 勘九郎ちゃん改め勘三郎丈も、3月は初日から千秋楽までひたすらステージ上で息子の不祥事を詫び続けることでしょう。今回の件は団十郎丈の休演とは、事情がまったく異なります。自分の子が起こした問題とはいえ、彼の心中は如何ばかりかと。

 中村勘三郎襲名披露公演の成功を祈りつつ ・・・ 親と子の、強くて濃くて重い絆のことなんて考えちゃったりもしているちかぞうです。

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January 19, 2005

ムバラク大統領

2005年1月19日(水)


 昨夜、豆電の黄色い明かりのもとで交わされた、ラブラブ夫婦のピロートーク。


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 ( ※ だ = だーりん / ち = ちかぞう )


 ち : 「 くすくす 」
 だ : 「 ははは 」
 ち : 「 きゃはは 」
 だ : 「 かーっ、かっかっかっかっか 」

 ・・・・・・

 ち : 「 なに、ソレ? 」
 だ : 「 かーっ、かっかっかっかっか。演目、忘れちゃった 」
 ち : 「 梅王?  」

 ( ※ 梅王 = 梅王丸。
     『 菅原伝授手習鑑 』 の登場人物 )

 だ : 「 誰だったかなあ 」
 ち : 「 ううーん、ちょっとナツオおぢさんっぽくない? 」

 ( ※ ナツオおぢさん = 十二代市川団十郎丈。
     本名、市川夏雄さん )

 だ : 「 成田屋? 」
 ち : 「 うん 」

 ・・・・・・

 だ : 「 ムーバーーーーーーーーーーーーラーーークゥゥゥゥ 」

 ・・・・・・

 ち : 「 はあ? 」

 ・・・・・・

 だ : 「 ムーバーーーーーーーーーーーーラーーークゥゥゥゥ 」

 ・・・・・・

 ち : 「 ねえ、それって大統領? 」
 だ : 「 うんっ 」
 ち : 「 ねえ、それってもしかして 『 暫 』 とかけてるの? 」
 だ : 「 うんっ 」

 ( ※ 『 暫 』 = 市川団十郎家 ・ 歌舞伎十八番のひとつ。
     主人公の鎌倉権五郎景政は悪をやっつける
                            スーパーヒーロー )

 ち : 「 強そうだね 」
 だ : 「 でしょ? 鎌倉権五郎ムバラク 」
 ち : 「 で、ムバラクさんってどこの大統領だっけ? 」
 だ : 「 ううーん? 」
 ち : 「 パキスタンだっけ? 」
 だ : 「 そうだっけ? 」
 ち : 「 カーン博士のニュースのときに名前を聞いたことがある 」
 だ : 「 そう? 」
 ち : 「 うん 」


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 ムバラクさんは、エジプトの大統領でした。
 パキスタンの大統領は、ムシャラフさんだってば!

 ( 恥 )

 バカップルで、ごめんなさい。もっと国際情勢のお勉強をします。

 ところで懸案の 「 かーっ、かっかっかっかっか 」 。
 演目、もしくは役名のわかる方いらっしゃいましたら、どうぞ教えてくださいませ。

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August 22, 2004

八月納涼歌舞伎(第一部)

2004年8月22日(日)


 八月納涼歌舞伎の第一部、行ってまいりました!

 染五郎サマ、カッコよすぎ。

 勘太郎クン、芸のぐいぐい伸びる音が聞こえるよぅ。

 染五郎サマは、やっぱりマイクなしの舞台が似合いますね。劇団☆新感線の 『 阿修羅城の瞳 』 は、音響のせいもあってか声がくぐもっちゃってハッキリ言ってつまらなかったもの ( まともに聞き取れたのは宝塚出身の女優さんと夏木マリさんくらいでしたよ ・・・ ううーん、実力の差? ) 。お父さまと一緒の 『 アマデウス 』 や歌舞伎なら、麗しき声がストレートに届いてくれてホラ、鼓膜も喜んでぶるぶる震えてくれるのです。

 勘太郎クンは、大河ドラマ 『 新撰組! 』 でもご活躍中! ( とはいえ、なんといっても山南敬助役の堺雅人さんが群を抜いてますが。辻仁成原作の 『 嫉妬の香り 』 でへぼへぼ男を演っていたのが嘘みたいだ ・・・ 役者って凄い! あっ、話がそれちゃった ) そんなこともあって本当に久々に彼の歌舞伎を観ましたが、膝が成長痛にならないか心配になるほど、板の上の彼は大きくなってました。勢いのある役者って、いいですねえ。

 とにかく第一部は、彼らふたりの輝きに負けた! くらくらっ!

 どうにかして、第二部 & 第三部も千秋楽までに観てきます。がんばっちゃお。

観劇追メモ:

★ 『 元禄忠臣蔵 』 御浜御殿綱豊卿

 徳川綱豊卿 ( 市川染五郎サマ ) と赤穂の浪人 ・ 富森助右衛門 ( 中村勘太郎クン ) の 「 敷居を越えるか? 」 「 越えませぬっ 」 の掛け合いが実に魅せる! 第二幕第三場 「 忘れるな、そちは我に悪口を吐いたぞえ、ふわっはっはっは ( ← 記憶曖昧 ) 」 で着物の裾をヒラリッ! そして同第四場では能舞台へ向けて静かに去ってゆく ・・・ 染五郎サマの引っ込みはどちらの場でもサイコーッ! 三十路にして背中で魅せる俳優さんに、彼はなっちゃったんですねえ。

★ 『 蜘蛛の拍子舞 』 花山院空御所の場

 納涼らしい怪談モノ。蜘蛛のお化けのぶっかえりと、吹き出す糸に客席はやんややんやの大喝采! 踊り達者をそろえた豪華俳優陣 ( 勘九郎、福助、三津五郎、弥十郎、高麗蔵、橋之助 ・・・ ) にはナンともはや、うっとりでした。勘九郎ちゃん一座 ( ? ) らしくアドリブもありまくり、どうしてあんなに茶目っ気たっぷりの芝居ができるのか、考えたりする間もなく大口を開けて笑ったり 「 おおーっ 」 と唸ってしまったり。びば、びば、中村勘九郎コンツェルン!? びば! びば!

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August 17, 2004

圧巻!服部コレクション

2004年8月17日(火)


 今日はだーりんと一緒に、上諏訪まで旅してきました。

 彼は川崎から、わたしは東京の町田から、青春18きっぷを駆使しての日帰り旅行。今回の目的は、なんといってもサンリツ服部美術館の 「 茶道具の美 『 時代を超えた名品 』 」 展でありまして、日本にふたつしかない和物茶碗の国宝、本阿弥光悦作の白楽茶碗 「 不二山 」 を拝見して参りました。


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( 実物は上部がもっと白っぽくて、味わい深いんですよ~っ )


 このお茶碗、光悦さんが愛娘のお嫁入りの際にお振袖に包んで持たせたものなのだとか。よって別名、振袖茶碗。自分で箱書まで付けちゃって、それも作者自らが箱書付けをする 「 共箱 」 の風習はこのときにはじまったというから、光悦パパの娘への愛情は計り知れないものがあります。いいお父さんだなあ、本阿弥光悦。

 個人的には、国宝の不二山より、別に出ていた織部の水指の方が好きでしたが、美術館刊行の名品聚に掲載されていないところを見ると、いわゆる 「 名品 」 ではないのかしらん。それにしたって服部一郎さんのコレクションは、それほど大きくない展示室を見終えるとぐったりするほどの充実ぶり。片道4時間の道のりではあれど、きっとまた足を運んでしまいそうな美術館でありました。

オマケその1:

 上諏訪駅のホームには、なんと足湯があるんですねえ。

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 電車を待ちつつ、旅の疲れを癒すにはぴったりでしたよ。

オマケその2:

 諏訪、そして諏訪湖といえば 『 本朝廿四孝 』 の八重垣姫のラヴ ・ ステージ! 諏訪湖をバックに、姫を気取ってハイ、ポーズ!

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「 勝頼サマ~ッ 」

 ちなみに後ろに見えるのは、八重垣姫の石像です。すんごいデカくて、びっくし。

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August 14, 2004

曽我煎餅&五郎力餅

2004年8月14日(土)


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 先日の歌舞伎フォーラム制作発表の際、おみやげでいただいた曽我煎餅と五郎力餅をいただきました。

 小田原の正栄堂さん、ごちそうさま。

 曽我煎餅は神奈川県指定銘菓とのこと。ちょっと調べてみたら神奈川県指定銘菓というのは、太平洋戦争中に伝統あるお菓子の製造技術を後世に伝えるため、県が特殊菓子として指定し、原料を特別に配給したことに端を発しているのだとか。正式にスタートしたのは昭和25年、神奈川県指定銘菓要綱の制定後、第1回の銘菓指定が行われてからだそうですが、いやはや。曽我兄弟にまつわる話うんぬんより、もっと近いところに伝統たることの歴史の重みを感じてしまいましたデス。

 五郎力餅は、ネットで引くと鎌倉の権五郎力餅ばかりヒットするんですよね。曽我五郎と 『 暫 』 の鎌倉権五郎のネームバリューの差? 江戸時代のヒーロー、曽我兄弟はいつからこんなにマイナーになってしまったんでしょう。なんだか寂しいなあ。曽我五郎だって強力 ( ゴウリキ ) だったんですよ、それにイイ男だし ( 花川戸助六、あのカッコいい男の代表だって、実ハ曽我五郎なのですから ) 。ガンバレ、曽我五郎! 権五郎なんかに負けるな! なんて気付けばどちらも成田屋さんの十八番ではないですか ・・・ どっちもガンバレ! 曽我五郎 & 鎌倉権五郎! はっはっは。

 お味は、曽我煎餅はちょいと甘めの瓦焼き。五郎力餅は、ピンクの薄餅に固めの白あんがほくほく。小田原土産にはぴったり、特にお相手が歌舞伎ファンであれば喜ばれること間違いなしでしょう。

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August 10, 2004

歌舞伎フォーラム公演迫る!

2004年8月10日(火)


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 じゃじゃーんっ!

 昨日、第16回歌舞伎フォーラム公演の制作発表に顔を出して参りました。

 共著 『 一日3000円の東京満喫プラン 』 のなかで歌舞伎を紹介した際にお世話になって以来、フォーラムを主催する日本伝統芸能振興会とはお付き合いが続いています。今回もそんなワケで、記者会見に呼んでいただきました。

 はっきり言って、今回は期待できそうですぞ。

 まず第一部 「 歌舞伎に親しむ 」 では、歌舞伎独特の立廻りと見得を取り上げるとのこと。以前、大道具をテーマにした際には感激した女の子がほんとに大道具さんに弟子入りして、いまでは立派な大道具さんになっちゃったなんて歴史もあるのだとか。そのくらい、歌舞伎フォーラムの感染力は強い! 役者さんには男性しかなれませんから、その点今回ちかぞうは安心して見ていられるなあ ( だって諦めがつくでしょ? ) 。あ、でもだーりんが 「 俺も役者に! 」 なんて言い出しちゃったら ・・・ マジなら応援します、こりゃドキドキだ。そんなこんなで立廻りと見栄、歌舞伎を歌舞伎たらしめている技巧の粋を、味わいに出かけようではありませぬか。じゃんけんに勝てば、ステージに上がってカブキ体験だってできるんですよ。前回、勝負に敗れて泣く泣く引き下がったわたし、今度こそじゃんけんを特訓して望む覚悟です。えいえいおーっ!

 第二部はフォーラムお得意、小芝居復活の 『 曽我物語 ― 中村之場 』 。小芝居というのは歌舞伎の1ジャンルで、歌舞伎座などにかかる大歌舞伎は大芝居と呼ばれます。それに対して小芝居というのはもっと庶民に近いところ、町の芝居小屋などで上演されておりました。となれば内容も大芝居よりわかりやすくなるのは自然の理。いわばもっと気軽に楽しめる歌舞伎、が小芝居なワケです。ところが昭和40年代、脱亜入米 ( ! ) の高度経済成長が災いしたのかすべての興行が幕を閉じてしまい、いまでは台本もどこへやら。せっかく大芝居、小芝居で影響を与え合いながら歌舞伎というゲージュツを伝えてきたというのに、これではあんまりもったいなかろう。そこで日本伝統芸能振興会が一念発起、その復活に乗り出して現在に至っている由。歌舞伎は難しくてワケわからん、と思っている人こそ小芝居を観てほしい。歌舞伎座の敷居は高すぎるよ、なんてボヤいている方こそ、もっと跨ぎやすい敷居もあるということを知ってほしいなあ。モノは試しで、まずはご覧アレ! きっとアナタの歌舞伎観、変えてくれると思いマス。

 ちなみに演目の 『 曽我物語 ― 中村之場 』 は 『 忠臣蔵 』 と並ぶ三大仇討ちストーリーのひとつ ( あとのひとつは 『 伊賀越 』 デス ) 。江戸庶民のヒーロー曽我兄弟、五郎と十郎には実はもうひとり弟がいた! だなんて、聞けばかなりワイドショーっぽいですが、笑いあり涙あり、家族についてもう一度考え直させてくれるお話なんですって ( わたしも今回が初見になるので、説明があやふやでスミマセンです ) 。出演者も平成中村座NY公演に出演した中村歌女之丞さんをはじめ、中村又之助さん、市川竜之介さん、澤村國矢さんと豪華なもの! 個人的には國矢さんがスキですよ、ええ。だってカッコいいですもん。ぜひ劇場で堪能していただきたく。ウフフ。

 第三部の 『 操り三番叟 』 は、歌舞伎舞踊の王道です。人間が人形のフリをして踊る、まんま大道芸でもいけるのではないかと思わせるパントマイムちっくなパフォーマンス。ダンスはコトバぢゃなーいっ! それこそ、外国の方でもよっぽどのむっつりさんでもなければ 「 オゥ、グレイトゥ! 」 とか 「 ハオ! 」 とかなんとか言ってガッハッハと笑ってくれること請け合いです。ある意味、接待向き? だなんて、中国人出張者のアテンドをしばしばつとめたりしているちかぞうは、そんなことも考えてしまったりして。いやーん。

 なんて長々と書いてしまいましたが、来月はちかぞうも公演に足を運ぶつもりです。江戸博の関連展示と絡めて、らんらんスキップで出かけます。9月はいそがしくなるぞお、わお。

 公演の詳細は日本伝統芸能振興会ホームページもしくは舞台創造研究所ホームページをご覧くださいませ。

 さて最後に職権活用 ( ? ) のお宝フォト。向かって左から、國矢サマ、又之助さま、歌女之丞さま、竜之介さまデス。この仕事してて、嗚呼よかった。フウ。


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July 30, 2004

高麗茶碗→富樫左衛門

2004年7月30日(金)


 ときどき、あっちとこっちでおベンキョしたことが、バババババッと電光石火のごとくつながってうれしくなることってありません?

 というのも。

 目下のちかぞう、ごく個人的にお茶碗ブームでして、本日も世界文化社の別冊家庭画報 『 入門・茶碗の見かた 』 なんていう本をパラパラとめくっていたのです。

 すると ・・・ 

「 兜巾 」

 ・・・ な~んてコトバが出てきたんですね。

 なんでもお茶碗の下についている台の部分 ( = 高台 ) の内側中央が突起状に出ているものをそう呼ぶんだそうで、高麗茶碗などに多く見られるとのこと。兜の巾、と書いて 「 ときん 」 と読むのだそうですが。

 お茶碗鑑賞1年生のちかぞうにとっては 「 兜巾 」 って一体なんぢゃこりゃ? のハズのシロモノなのです。

 が。

 「 トキン 」 って、妙に耳になじんでいる言葉だったんですよ。


 トキン? トキン? トキン? トキン?


「 額に戴く兜巾は如何に 」
「 これぞ五智の宝冠にして、十二因縁の襞を取って是れを戴く 」


 ああーっ! 『 勧進帳 』 の富樫の台詞だあっ!!!


 そうなんです! 歌舞伎の 『 勧進帳 』 で関守の富樫が山伏 & 強力姿の義経一行を怪しいと睨み、弁慶に仏教のアレコレを問答する、あの手に汗握るシーンのなかで登場していたのです。 『 勧進帳 』 のMDはたまに仕事をしながらBGMで流しているだけだったのですが、なんといっても団十郎おじさまの弁慶に仁左衛門サマの富樫 ( 正確には孝夫さんを名乗っていたころの録音ですが ) ですもの。心とカラダに染み入らないワケがないではないですかっ!

 そして回りまわって今日、思わぬところで実を結んでくれたのでした。

 じーんっ ・・・ 大感激。。。

 高台内の 「 兜巾 」 の名も、やっぱり修験者のかぶった兜巾 ( = 頭巾 ) に似ていることに由来するのだとか。またそれによって香合の形状をいうこともあるんだそうです。

 こういうことがあると、またちょっくら本でも読んでみるかって気になります。歌舞伎にもがしがし行っちゃおうかってやる気にもなります。これぞ、うんちくスパイラル。また螺旋グルグルになれるときを目指して、精進しちゃう所存でゴザイマス!

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July 24, 2004

7月歌舞伎鑑賞教室

2004年7月24日(土)


 今月も観て参りました、歌舞伎鑑賞教室。

 「 親子で楽しむ歌舞伎教室 」 と銘打っているだけあり、チビッコが多かったですねえ。でもみんな、静かなところでは静かに、笑うところではガッツリ笑っていましたよ。かえって親の世代の方がコックリコックリしていたような ・・・ これからもこんなイベントをじゃんじゃんやっていただきたいものです。それで交換日記の好きなタレント、の欄とかに 「 片岡愛之助丈 」 なんて書いて欲しい、ぜひ。間違っても好きな女性タレントの欄に 「 中村玉三郎さん 」 とかは書かないで欲しいけれど。でも間違えると思うなあ。おとなでだって、タイのニューハーフショー観て 「 あの彼女だけは違うッ 」 って言い張ってやっぱり勘違いで泣いた人知ってるもの。おっと話がそれてしまった。そのくらい、愛之助サマはカッコよかった。ははは、支離滅裂。

 嗚呼、片岡愛之助サマ ・・・ このたび実感致しました。

 あの人、すげーカッコいい。かっちょぼい。

 ステージの上では、サエナイ男なんですよ、そりゃもう役柄どおり。
 でもプログラムの写真見てビックリ! はちゃめちゃにとろけます。

 ペさまスマイルもいいけど一度、愛さまスマイルを拝見なさい。
 ソウルより、大阪行きたくなるから。

 愛之助サマ、お誕生日3月4日なんですって。
 なんと、ちかぞうと同じ日。

 ハッ! コレは、運命?

 やっぱり、役者さんが子どもと親しく触れ合うことで、歌舞伎への親近感は湧くと思います。ステージのあと大変かとは思いますが、役者さんがロビーあたりに出てきてくれたら素敵。握手とかしちゃって、歌舞伎っぽく 「 かたじけのう 」 なんておしゃべりしたりしちゃって。もちろん衣装のこと、その他もろもろリスクは伴いますが、国立劇場さん御一考いただければ幸いです。そうしたら子ども作ってでも伺います。誰ですか、最大のリスクはお前だなんて言っているのは?

 愛之助サマ、描いてみました。フウ。


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 ああーん、ダイスキかも。


追メモ:

 ところで今回の出し物は 『 傾城反魂香 』 。あらすじは先月19日付コラムをご参照くださいませ。ちなみに浮き出る又平さんは、少なくとも歌舞伎座よりカッコよかったですよ。けれども絵としては歌舞伎座のモノの方がはっきりと見やすかった。舞台美術というのは難しいんだなあ、とつくづく思いましたです。それにしてもアレ、どんな仕組みになっているんでしょうねえ。どうせならそんなネタも、子どもたちに見せてあげたら喜ぶのにな。ちなみに前半の 「 解説 歌舞伎のみかた 」 は音楽についてでした。スクリーンも使ってなかなかわかりやすかったです。

追メモ:

 愛之助サマのことを調べていたら、義理のお父上にあたる片岡秀太郎丈がホームページでこんな素敵なことをおっしゃっていたのでご紹介致したく。

( 「 秀太郎歌舞伎話 」 2003年4月、松本幸四郎丈の新作 「 夢の仲蔵千本桜 」 への出演を前にして。 AINOSUKE.COM より )

 今回は高麗屋さんのお芝居ということですが、今はコクーン歌舞伎や中村座のような中村屋さんのお芝居、スーパー歌舞伎のような澤瀉屋さんのお芝居、それに僕の平成若衆歌舞伎といったようにあちこちでいろいろと新しい挑戦が行われていて、それでいて皆が集まったときにはきちんと古典をご覧いただけるようになっています。そういう意味では、今非常に歌舞伎が面白い時期だと思います。僕自身、今回は高麗屋さんの歌舞伎を楽しみながら、そして勉強しながら参加させていただいています。歌舞伎は娯楽ですし、好き嫌いの世界ですから観客の皆様にも新しいものから古典までいろいろな歌舞伎を観ていただきたいと思います。僕はそういうお客様に歌舞伎の匂いを感じていただながら新鮮なお芝居というのをお届けしたいと思っています。

 この前、平成中村座NY公演 『 夏祭浪花鑑 』 のエンディングでNY市警が登場したニュースについて ( 東京のコクーン歌舞伎では警視庁のパトカーでした ) 、友人 & だーりんと 「 あれはやりすぎだ 」 「 そんなことない 」 なんていって散々にやり合いましたが、ちかぞうの言いたかったのはコレなんです。

 「 歌舞伎は娯楽ですし、好き嫌いの世界ですから観客の皆様にも新しいものから古典までいろいろな歌舞伎を観ていただきたい 」

 確かに最初に平成中村座を観ちゃったら、ほかの古典を観たときに 「 エッ? 」 と思うかもしれない。でもガッカリする人もいれば、さらにのめりこむ人もいると思う。歌舞伎というのはもしかしたら、ジャンルの名前なんです。いうなればコーヒーカップからスプラッシュマウンテンまでそろった遊園地、なんだと思うのだけれどどうかしらん。

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