« 藤枝名物「サッカーエース最中」 | Main | 老舗そば店とお子さまランチ »

May 05, 2010

この国で、伝えられてきたもの~こどもの日に寄せて~

2010年5月5日(水)


 先月末にも書きましたが、歌舞伎座閉場式。

 この日は絶対、和服を着てゆこう。そう心に決めて当日を迎えました。

 記念すべき日の身拵えは、祖母が衝動買いを泣いて祖父に詫びた、四角柄に濃淡異なる藍と紅がほどこされた大島に、同じく若い時分の祖母が一番気に入っていたという落ち着いた薄茶の、お公家さんの野遊びを映したと思われる手刺繍の帯。そしてその上に、祖父が娘時代の母と買い物をしていて、ふたりで一目ぼれをしたという、薄桃、薄水、薄紫に彩られた5弁の花がやわらかくも華やかに咲く、総しぼのお羽織を重ねました。

 祖父はすでに他界、また祖母は長いこと病院に入っており、観劇はおろか外出すら難しくなってしまいましたが、ひょっとしたら(いえかなりの確率で)祖母はこの大島を着て、木挽町の地でご贔屓の役者さんたちに拍手を送ったかもしれず、そこには、もしかしたら祖父も一緒だったかもしれません。歌舞伎を愛し、歌舞伎座を愛し、わたしに古典芸能の世界への扉を開いてくれた祖父母の想いと共に、思い出の地にお名残ができたのではないかしらん。そんなことを思いながら、最後の歌舞伎座に座っていました。

 人から人へと、大切に手渡されてきた歌舞伎、そしてお着物だからこそ、このちょっぴり切ないけれど、あったかい気持ちがある。伝統、というモノの意味とか、意義とかは正直わからないところもあるけれど、でももうこの気持ちだけで、先人の皆さんたちに 「守ってきてくれてありがとう」 と、叫びたくなりました。

 コチカゾウもこの大島で、歌舞伎に、ゆくのかな。

 この国で、伝えられてきたものを、こどもたちに伝えてゆきたい。そんなことを強く、強く思いました。

|

« 藤枝名物「サッカーエース最中」 | Main | 老舗そば店とお子さまランチ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference この国で、伝えられてきたもの~こどもの日に寄せて~:

« 藤枝名物「サッカーエース最中」 | Main | 老舗そば店とお子さまランチ »